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世界のLNG見通し、バングラデシュの先行きは厳しい

世界の液化天然ガス(LNG)市場は、極めて不安定な状況にあります。2021年冬以降、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、LNG価格は過去最高値を更新する急騰を繰り返しています。バングラデシュは、ガス需要の20%を液化天然ガス(LNG)の輸入に依存しており、法外な価格を支払うか、購入を断念せざるを得なくなり、燃料と電力が不足しています。

2022年のアジアのLNG需要の減少が産業成長の課題を浮き彫りにする

液化天然ガス(LNG)業界は長年、アジアが信頼でき、急速に成長する顧客になるだろうと想定してきました。しかし、世界のガス市場が乱高下した1年で、この前提に疑問が呈されることになりました。欧州でのロシアのパイプラインガスをLNGに置き換える動きにより、2022年の価格は過去最高を記録しました。これを受け、アジアのLNG需要は7%減少し、2015年以降初めて年間需要の減少を記録しました。

世界的なエネルギー危機でフィリピンでのLNG計画に支障か

フィリピンは極めて不確実な時期に世界のLNG市場に参入しようとしています。ロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、世界のLNG供給は制限され、LNG価格は史上最高値を更新し続けています。

レポート『褐炭、グリーンウォッシュー 水素エネルギーサプライチェーンプロジェクトがもたらす真の排出のインパクト』

「クリーンエネルギー」と銘打たれているものの、水素エネルギーサプライチェーン(HESC)がパイロット段階で出した排出物のうち、二酸化炭素回収・貯留によって埋められたものはありません。HESCプロジェクトでは、フル生産時に年間180万トンの排出量を削減するという主張とは裏腹に、排出量を年間最大380万トン増加させる可能性が高いのです。

アジアにおけるLNGの経済的意義は崩れつつある

世界の液化天然ガス業界は、長年、アジア需要の堅調な伸びを当てにして世界的な拡大計画を正当化してきました。しかし、世界のLNG市場が激動したことで、こうした期待は後退しました。持続的な価格高騰と限られた供給量をめぐる競争により、LNGに対する経済状況が損なわれ、アジアでのLNG販売が減少しています。

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